「天に昇られたキリスト」  06.05.28
                   使徒言行録1:3〜11

 私たちクリスチャンは、天としっかりとした結びつきを持っています。
 天に国籍を持つ(フィリピ3:20)者とされています。イエスさまが天に
昇られた昇天日の出来事は、このことを明らかにします。
 キリスト教会で大切に読み継がれてきた『ハイデルベルク信仰問答』
では、「イエスさまの昇天によって与えられる益、喜びは何かですか」
との問いに「わたしたちがその肉体を天において持っているということ。
 それは、頭であるキリストが、この方の一部である私たちを、ご自身の
もとに引き上げてくださる、一つの確かな保証であるということです」と
答えます。教会の頭であるイエスさまが天に行かれたのだから、教会に
つながる私たちは天国に引き上げられるのは間違いないのです。
 ぶどうの樹につながる枝のように、私たちのことを見てくださるイエス
さまが、枝である私たちをそのままにしておかれず、天に迎え入れて
くださることを、心から信じてよいのです。天に昇られるイエスさまとの
別れに際して、弟子たちは喜んでいました(ルカ24:51〜53)。
 それは、自分たちと天との結びつきを、はっきりと知ったからで
あります。
 人は、神さまを無視し、神さまに背いて生きる、罪ある存在です。
 そんな私たちですから、本来ならば、天国とは何の関係も持つ
ことは出来ません。人間が、希望を持って天国を見つめることが
出来るのは、十字架にかかり私たちの罪を取り除いてくださった
イエスさまがおられるからです。
 罪深い自分を愛し、赦し、自分と結びついてくださるイエスさまが天に
おられるからこそ、私たちは天国と無縁ではなくなったのです。
 弟子たちは、ただ天を見上げていれば良いのではありません。
 天に行くまでの地上での生活の間、イエスさまを証しし、伝道する
ことが求められました(8節)。
 そして、そのために必要な力を与えてくれる聖霊を待ち、
受けいれるようにおっしゃいます。
 約束してくださった方を信じ、その方に身を委ねて、約束された
聖霊を待つ者に、聖霊は豊かに注がれます。